以下はspeekがお勧めする、英語音声学に関するウェブサイト・アプリ・書籍です。
MacSyllable-Timed vs. Stress-Timed Languages
(YouTube)
英語発音でも一番大事なStress-timed のリズムについて扱った動画です。英語の解説ですがイメージだけでも掴めると思います。
上智大学 理工学部 情報理工学科 荒井研究室
声道形状(Vocal-tract Configuration)
(Website)
母音は口腔と咽頭腔の形のコンビネーションで決まることが分かります。解説は難しいので最初は途中に置いてある動画だけ見てください。必見です。
Sounds of Speech – University of Iowa
(App)
アイオワ大学が無償で提供する発音アプリです。Web, iOS, Android版があります。口の中の動きが分かります。秀逸です。会員登録(無料)の必要があり面倒ですが、それを上回る価値があります。
英語音声学
竹林 滋
(和書)
音声学の泰斗、竹林滋教授(東京外国語大学名誉教授、故人)の本。学術書。日本語で書かれた音声学の書物としては包括的かつ権威がある書物です。辞書的に使うと良いでしょう。超上級者向け。
英語音声学入門
松坂 ヒロシ
(和書)
音素(母音・子音)の解説はこの本に右にでるものは未だありません。学術書ですが巷に溢れている凡庸な本より遥かに分かりやすいです。早稲田大学大学院時代に個人的に松坂先生から教わった経験があります。
Praat
(Software)
音声学の研究者が使用する音声解析のソフトウェアです。世界的に知られていますが、素人が使うには少しだけ敷居が高いです。無料でダウンロードできます。Mac, Win 両対応。
音声学を学ぶ人のためのPraat入門
北原 真冬 他
(和書)
弊社顧問の北原真冬教授(上智大学)による上記音声分析ソフトウェアPraatの解説本です。ITが得意な方は試してみてもいいかも知れません。
北原 真冬 研究室
(Website)
弊社顧問、北原真冬教授(上智大学)の紹介ページです。
英語舌のつくり方
野中 泉
(和書)
個人的には学術書のみを信用し、カジュアルな本は参考にしません。しかしこの本は唯一の例外です。著者の野中氏は音声学の研究者であり学問的な背景がありつつも、内容はアナロジーやイラストを用いて分かりやすく書いています。活字を読むのや理屈が苦手な人にお勧めです。
もう1度始める英語発音入門
野中 泉
(和書)
上記の「英語舌のつくり方」の野中泉さんが監修しています。「英語舌」に比べてさらにsolidな内容になっています。
声のしくみ
福島 英
(和書)
ネイティブらしく話すには発音の重要性の割合は50%程度です。残りの半分は「発声」が鍵を握っています。そして私がリサーチした中では、この本が最も分かりやすく纏まっています。リンキングと喉を開いた発音は、実は正しくネイティブの発声ができれば自ずとできるようになるものなのです。英語発音そのものの本ではなく、一般的な「発声」を扱っていますが、間違いなく英語発音学習に役立ちます。
「医師」と「声楽家」が解き明かす発声のメカニズム
萩野 仁志、後野 仁彦
(和書)
声楽の本だが喉を開けるメカニズムについて、MRIなどを用いて解説しています。医師と声楽家という異色のコンビが執筆。
Motor theory of speech perception
(Wikipedia)
音声学では「モーター理論」と呼ばれる有名な学説です。英語耳の主張である「発音できない音は聴き取れない」は、この理論がベースになっています。
脳科学から見た効果的多言語習得のコツ
植村研一
(論文)
バイリンガルの脳神経外科医が、モーター理論を補強するような興味深い主張を述べています。バイリンガル話者は英語を話している時は、脳の活動する部位が異なることがMRIで確認できます。
日本語音声学入門
斎藤 純男
(和書)
英語発音を真にマスターするには、私たちが普段している言語である日本語発音を客観的に俯瞰する必要があります。それは英語発音と日本語発音の相違に深い理解をもたらします。日本語音声学の本では斎藤先生の本がベストではないでしょうか。コンパクトに過不足なく日本語音声学のエッセンスが書かれています。
Mastering the American Accent
Lisa Mojsin
(洋書)
洋書では書かれた発音の本としてはスタンダードで良書。IPA(国際発音記号)で説明されているので普遍性があって分かりやすいと思います。巻末に各国のNon-native英語話者の「クセ」も記載れているので参考になります。
American Accent Training
Ann Cook
(洋書)
英語発音マニアには有名なAATです。アメリカ英語発音はイギリスのそれに比較し喉っぽい発音であることを言及するなど鋭い指摘もあり、「保守的」な発音矯正の枠組みを超えている箇所は賞賛に値します。ただ、IPA(国際発音記号)ではなく独自の発音記号を用いているところが逆に従来からの学習者を混乱させ、いちいちIPAに変換して解釈しなければならないところに「余計な労力」を掛けさせている意味では難点があります。また量が多いのも賛否両輪です。量が多いことを良しとする人には演習がたくさんできますので、良いのかもしれません。逆に時間がない人には冗長と言えます。いずれにせよ、発音マニア界隈では有名な本なので興味がある人は一読はしていいかも知れません。
antimoon.com
(Website)
英語の綴りとIPAの対応表です。
第二言語習得研究からみた発音習得とその可能性についての一考察 : 臨界期仮説と外国語訛りを中心に
(論文)
成人してからネイティブレベルの発音習得は可能なのか?ある研究者の考察。答えは「おそらく可能である。」
清水英之氏の一連の論文 (学習院大学紀要)
学習院大学出身の研究者による発音に関する気鋭の小論文